糖尿病と運動 運動の種類について.
運動の種類についてです.
これまで,糖尿病に限らず,健康維持にウォーキングや軽い水泳,
サイクリングなどの有酸素運動が有効であると報道やテレビの健康番組などでも
大きく取り上げられてきました.
最近では,筋力を付ける運動であるレジスタンス運動の有用性が
非常に注目されています.
自体重を負荷する運動(腕立て伏せ,腹筋運動,スクワットなど),
ダンベル,チューブやトレーニングマシンなどを用いたものなどの筋力を高める運動を
レジスタンス運動といいます.
糖尿病に対する良い点として,筋肉量が増えると,
血糖値を下げるホルモンであるインスリンの働きが良くなって血糖値が改善します.
有酸素運動とレジスタンス運動の両方を行うと,さらに血糖値の改善が期待できます.
また,特にご高齢の方の場合,筋力低下による運動能力の低下,
将来の寝たきり状態の予防のためにも負荷は軽いものでよいので
レジスタンス運動で筋力を維持することが重要です.
レジスタンス運動を行う注意点として,負荷の強いレジスタンス運動は,
体にかかる負担から事故が起こる危険性もあるため,まずは軽い筋トレから始めて,
徐々に強度やセット数を増やすことが必要です.
心臓病がある場合など,糖尿病の合併症の状況によってお薦めの運動内容は異なりますので,
まずは,主治医と相談してから開始してください.
(参考資料 糖尿病診療ガイドライン2016 編・著 日本糖尿病学会)