血糖値をよくすることと血圧をよくすること
糖尿病で血糖値が高いことは,いろいろな合併症を起こす原因になってしまいます.
そこで,血糖値を下げる治療をするのですが,血糖値を下げると
糖尿病で起こる合併症を予防できることが分かっています.
また,糖尿病の患者さんでは,血圧も高い人が多いと知られています.
そして,糖尿病の患者さんで高血圧のある人の血圧を下げると合併症の予防に
つながることも分かっています.
糖尿病の患者さんの血糖管理において,
A群:糖尿病と分かったときから,しっかり血糖値を下げた治療をしていた患者さんたち
B群:昔は血糖値が高い時期が長かった患者さんたち
現在は,A群の患者さんもB群の患者さんも血糖値の調子は同じくらいだとします.
しかし,A群の患者さんたちの方が合併症が少なく,死亡率も低いことが知られています.
糖尿病では,できるだけ良好な血糖管理の期間を貯金しておいた方が良いとされています.
一方で,糖尿病の患者さんで,高血圧もある人たちでは,
昔から血圧をしっかり下げていた人とあまりしっかり下げていなかった人を比較すると,
現在の血圧が同じくらいならば,合併症の起こる頻度や死亡率は差が無くなってしまうとの
報告があります.
血圧管理は,調子のよい期間が長くてもそれを貯金することはできないようです.
現在の血圧をよい調子で続けることが大切です.